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茶葉
林文経先生
畑で説明をしてくださる林先生
東方美人
林文経先生の作った東方美人
民国92年(2003年)度東方美人茶比賽優良奨
中国茶・大刈り
中国茶・茶木
茶木の根元を見ると大刈りの後の切り株が見えます。

茶畑にて

一度目の揺青を終えると先生は私を茶畑へ連れて行ってくれた。トラックに乗り、茶摘をしたのとは違う畑へ出かけた。昼間より少しは弱まった太陽の下、いろいろとお茶について教えていただいた。

林先生の畑で作られるお茶は

  1. 青心烏龍
  2. 四季春
  3. 台茶12号(金宣)
  4. 台茶13号(翠玉)
  5. 台茶17号

である。台茶+番号は1969年から研究が始まった新品種であるり、現在18号まである。そのほとんどが桃園縣台湾茶業改良場で開発された。

今回、林先生とともにお茶作りをしているのは台茶17号だ。東方美人もこの同じ茶木で作る。台茶17号は寒さに強く、成長が早い特徴がある。

お茶作りの一年と年に一度の東方美人

林先生の畑では年に5回〜6回お茶を摘み取る。毎年一番茶が3月末から4月にかけて摘まれる。そして、その後45日ごとに摘み、12月末に最後の収穫をする。

そのうちの2回目に摘み取られるお茶が東方美人となる。この東方美人、うらやましいほどに美しい名で呼ばれるこのお茶はいくつもの名前を持っている。白毫烏龍茶、香檳烏龍茶、膨風烏龍茶。これが全て東方美人である。
白毫烏龍茶・・・これは見た目である。産毛がたくさんついた芯芽が発酵しても白く残る。
香檳烏龍茶・・・シャンペンのような
膨風烏龍茶・・・ウンカ(害虫)に吸われたお茶を農民が売りに行き、意外なことによく売れた。それを聞いたほかの農民が「ホラ吹きだ」(膨風)と言った。
東方美人・・・ヨーロッパで「オリエンタルビューティー」と呼ばれた。

こんなにも美しい名前を付けられたお茶であるが、ウンカという害虫がつかないと、この味がでない。

「林先生、ウンカってどんな虫なんですか?ウンカが噛むと東方美人の味になるんですよね」と、尋ねた。

「ウンカは噛むのではなく、吸うのだよ。蚊が人間の血を吸うみたいに、ウンカは茶葉を吸うんだ。それに、ウンカは東方美人の時期だけいるんじゃなくて、いつでもいるんだ」

と、林先生は茶木の列に手をかけ、茶葉を裏返した。残念なことに、今日は少ないようだ。それに、ウンカはとても小さく飛ぶ。緑色をしていると言う。ウンカにもたくさんの種類がいるが恐らくホソミドリウンカではないか。

ウンカが茶葉の成分を吸う。吸うことで茶葉がなかなか成長しない。普通100キロ収穫できる畑でウンカに吸われる2回目の収穫時期には、たった20キロしか茶葉が採れないそうだ。

もちろん、ウンカがいると言うことは農薬は使わない。無農薬、オーガニック栽培である。

林先生は黙々と茶畑の草取りを始めた。無農薬なので草取りをしなければならないのだ。
「今年は雨が少なくてね。もう少し降ってもらいたいんだが」私たちは草を取りながらそんな何気ない話をした。天候もお茶作りには大切である。
「先生、お茶は年6回、休むことなく採れるんですか?」
「こっちに来なさい」と、先生は手招きをした。

大刈りと中刈り

茶木は放っておくとどんどん成長する。お茶摘みをしていてもだ。中心の幹が伸びて木になる。中国の茶木には我々が想像する茶畑のような低い木ではなく、木に登らねば茶摘ができないほどの古木もある。なので時々幹を切り、高くならないようにする。その手入れには大刈りと中刈りの二つがある。
中刈りは3年に一度、地面から30センチのところで幹を切る。
大刈りは12年に1度、地面から15センチのところを切るそうだ。そして、根元の土を少し掘り、根元に太陽の光りを当てる。すると根元から新しい枝が生えてくる。そうすることで茶葉の元気を取り戻す。大刈りをした後は半年間その木の収穫は少なくなる。

「この茶木を見てごらん。これはちょっと変わっていて一本の茶木で大刈りと中刈りが半分ずつになっている」
刈った後の畑は閑散としている。

次に私が無農薬栽培と普通の栽培について尋ねると、先生はトラックに乗るようにといい、別の方の畑へと連れて行ってくれた。

「無農薬の畑とそうでない畑。見てわかるかい?」先生は茶葉を摘み取りながら言った。
「・・・・」返事ができないでいると
「まず、地面を見てごらん。無農薬だとさっきやったみたいに雑草を時々取らないといけないから、そのために土を掘り起こす。だから土が軟らかい。それに取った草もそのままにしておくとまた生えてくるからきれいに捨てる。農薬を使えば雑草はそのまま放っておいてもよい。それに土を掘り起こさなくていいから土が踏み固まっている。」

「それと、茶葉。いくつか飛び出ている茶葉があるでしょう。これは農薬がかからなかった枝。成長が違ってくる。茶葉を摘む時はこの飛び出した部分を混ぜてはいけない。茶葉の若さが違うからね。」
それで さっきから先生は話をしながら飛び出た茶葉を摘んでいたんだ。

茶畑で先生からお茶の話を聞いているうちに時間となった。そう、作業場に戻り今休ませている茶葉をもう一度揺青しなければならない。

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