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冷蔵庫のような形の乾燥機に茶葉を並べる

乾燥機から取り出した出来立ての東方美人。白毫が目立つ

今日の出来は何キロか?

東方美人の別名の一つは五色茶。
赤(茶)、黒、黄、緑、そして白が見えますか?
早朝、茶摘から始まり愛情込めて美味しいお茶になるように育ててきた茶葉。いよいよ完成を迎える。どんな美人に成長するのか。

乾燥

乾燥(かんそう)・・・水分を飛ばし、乾燥させる。

形が平均的になるまで揉捻、玉解が繰り返され、これから仕上げの段階。乾燥である。乾燥機は丁度、冷蔵庫のような形の機械でトレーが棚のように入っている。トレーに茶葉を並べドアを閉める。少し低めの温度でゆっくりと乾燥させ、水分を85%カットする。

この乾燥機は日光萎凋の代わりもする。梅雨の間に作られる東方美人。茶摘の後、雨が降ったりして十分に日光萎凋が出来ない時にはこれで発酵させることのあるそうだ。

計量

乾燥機にかけ、余熱をとると東方美人が完成となる。白毫がキラキラとしている。時間は朝の6時。袋に詰めて計量する。今日誕生した東方美人は5斤ほど(約3キロ)。早速、試飲してみる。品評会の淹れ方でお茶を淹れてみる。テイスティングカップに3gの茶葉を入れそこに150ccの熱湯を注ぎ蓋をして5分30秒待つ。茶杯に空けてまたしばらく置いてから口にする。渋みがなく、口いっぱいに東方美人のコクが広がるそしてそれが甘みへと変わる。変化が実にスムーズだ。

「品評会では一煎目を評価するけれど、東方美人が美味しいのは2煎目なんだよ」と、2回目のお茶を淹れてくれた。まろやかさが舌にまとわりつく感じ。とろんとした重さがある感じ。自分で作った(いや、手伝った。少なくともこの茶葉の中の一握りは私が摘んだ)東方美人。すごく良い出来だと思う。恐る恐る林先生を見る。林先生はお茶は飲むのではなく、舌全体で聞くようにお茶をすする。そして、深くうなずきながら
「うん、まろやかに甘くできた」と言った。

6月の末に行われる品評会まで作ったお茶は日付ごとに分けておき、その中で一番の出来のものを出品する品評会で特等奨を取ると茶葉の値段は一気に跳ね上がる。だから茶商たちは出品前の茶葉をテイスティングし、自分の狙いをつけた茶葉を先買いするのである。はたして今日誕生したお茶は選ばれるのだろうか?

体験後記

オリエンタルビューティー、なんとも羨ましい名前を持つお茶の誕生を確かめたくて今年も林先生のことろに乗り込みました。

感想はさすが、名前にふさわしいほどに手をかけ、愛情をかけ、丁寧に作られているということ。そして、ここにも経験でしか培われない業がありました。東方美人の技は「匂い」。茶葉と香りで会話するのです。美味しい味と香りと出すには優しく愛情込めて撹拌すること。

やはりヨーロッパにも通用する貴婦人を育てるのは愛情なんですね。
そして忘れてはいけない、小さな協力者ウンカくん。自然の持つ神秘も偉大です。

 
 
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