お年頃を過ぎて、友人の結婚式に招待される機会も減った今日この頃。
出席するのはもっぱら年下の従姉妹のウエディング! 親戚の式って気が楽ですね〜。
自分でいうのも何だが、余興、スピーチ頼まれ率98%を誇る女(単なる喋り好き?)の私は友人の結婚式となると3ヶ月前から三谷幸喜先生のような生活になる。(三谷「一緒にすんな!」)
ことスチュワーデスの同期の結婚式となると大変だ。いつからかスピーチだけでは飽き足らず、私のスピーチとセットで他の同期数名とスペクタルショーが付くことになった。
うぅ・・・、考えてみれば「おっ、若い女の子のスピーチだ。聞こう!聞こう!」と宴たけなわのザワザワした会場がしーーーんと静まり返る時期を過ぎた頃からか? 奇抜な演出で酔っ払いおっさんたちを黙らせようという策略なのか?
とにかく3年前の大阪での同期の式では、「モーニング娘。」ならぬ「たそがれ娘。」を結成し、当時流行ってたラブマシーンを全踊りつき、揃いの衣装で披露した。東京から4人、大阪から3人の7名による「たそがれ娘。」。
まず私はラブマシーンのプロモーションビデオを入手し、今度はSAMになりきって、ことこまかに踊りを指導したものをビデオに撮り、各メンバーに送った。メンバーは、私が和室で畳を軋ませながら踊る「たそがれ娘。」の踊りを見ながら、各自練習に入った。
そして東京メンバーは個人練習1ヶ月後、代々木にある貸しスタジオに集結。
この日はリハーサルで、 鏡張りのスタジオで合わせて踊るという目的。
30過ぎの女4人が大きな荷物(衣装)を手に、でも、ギターやベースのような楽器はなーんもナシで貸しスタジオに入っていく・・・
傍から見たら異常な光景。受付を過ぎ、休憩場となった自販の前を通り過ぎた時、俗にいうバンド青年? 明日のGLAYを夢見ているお兄ちゃんたちがタバコをふかし、「う・・・ん、アキラ、あそこの出だし・・・のとこなんだけどさ」(←多分?)とやってる中、普通のおばちゃん(おばちゃんだなんて思ってないけどね)がドヤドヤ通り過ぎて行く姿。どう映ったんだろう?
スタジオに入れば、受付のおにいちゃんが「あの・・・アンプですが・・・」なんて言うから
「あぁアンプはいいのよ。カセット、カセット入れるところない? 歌流したいから!」
おいおい、貸しスタジオは音を作り出すところであって、流すところではないだろうが! それもカセットなんて何時代の人間だちゅーの!
受付のおにいちゃんも「あんたら、ここをカラオケボックスと勘違いしてない?」という顔で出て行ったが、そうよ、私たちだってボックスが全面鏡張りで踊るスペースが十分にあったら、何も高い金払って、場違いな貸しスタジオになんか来てないわよ!
後で帰る時に知ったのだが、受付に各スタジオのモニターがあって、部屋で行われている行為が鮮明に映し出されていた。
恥! でも、大丈夫。おばさんたちはこーゆー時には記憶を抹消するのが得意だからね。
式の前に大阪組と合わせ稽古をし、完成。 「たそがれ娘。」の公演は大阪で大成功のうちに終わった。
続いて、翌年、東京での同期の式では、貸衣装1着に2万円もつぎ込んで、宝塚チックに「ベル薔薇」を披露。マリーアントワネットと
フェルゼンによる ♪愛それは〜切なく〜♪ を演出した。この式は新郎が業界人だったので、新郎側招待客がほとんどマスコミ関係という高きハードルであったにも関わらず、大好評で、公演後、賞賛の拍手が鳴り止まず、私たちは大いに舞い上がり、ついに芸能界デビューかと翌日からサインの練習に明け暮れたのもの、それっきり何の連絡もなかった。(当たり前だろが!)
さて、前置きが長くなってしまったが、このように友人の結婚式は私にとって、かなりハードなスケジュールを要する。
しかし、従姉妹となるとね、当日自分が着ていく服さえ決まれば、後は遅刻しないようにご祝儀を持って式に参加し、料理を愉しみながら、お友達のスピーチや歌を聞き、「あぁ良い披露宴だったね・・」と帰ってくる。実に気楽なものである。
従妹の奈々ちゃんの5月17日の結婚式の招待状を受け取った時も、私はえらく落ち付いた面持ちで「出席」に○をし、返信した。
スピーチはしないでいいとして・・・kaoと2人、何か私たちで奈々ちゃんにしてあげられることはないか・・・と色々考えて・・・そうだ! 私たちと言えば、お茶! お茶っぱなら売るほどあるってもんよ!(どこかで聞いた台詞だわ)
千日紅仙桃がいいわ!
千日紅の花は1000日間色褪せないことから、花言葉は「変わらない愛情」。
ウエディングにはぴったりよ! 私たちは千日紅仙桃を2つ入れたものを招待客に配ってもらうべく、ラッピングしてプチギフトとして用意することにした。せっせと袋詰めしながら、思い出すのはまだ奈々ちゃんが幼かった日の面影・・・。涙と鼻水でグショグショになりながら(うそ! うそ!)70個用意した。
奈々ちゃんのウエディング用にそれを「ハッピールビー」と名づけた。
そして、心穏やかにその日を待っていた・・・。
ところが私の携帯に1通のメールが届いたことから事態は変わった。「ゆかりお姉ちゃん、相談したいことがあるの」奈々ちゃんからだった。私はそのメールを見て、ピンと来た。はは〜ん、式1ヶ月前、これからの色々なことを考え不安になってるのね。私は自ら奈々ちゃんにすぐに電話した。「どうしたのかな? おじょうさん。マリッジブルーかな?」すっかりみのもんた気取りである。
「ゆかりおねーちゃん! 頼みたいことがあるの! スピーチ! それもお涙頂戴じゃなく、最高に面白いやつ!」「えっ!」まさか従妹の結婚式でスピーチを頼まれるなんて。そんな予期せぬ頼みに「任せておいてよ!」と気が付けば口走っていた。しかし、その後一体どのようにして電話を切ったかさえ覚えていない・・・。
面白いやつ・・・面白い・・・・。その夜から内容を考え始めた。しかし、従妹・・・・。8歳も年の離れた従妹だ。思い出すのは 彼女がまだ本当に小さくて、「ゆかりお姉ちゃん〜」と言っていつでも私の後をついてくる・・・そんな可愛い奈々ちゃんばかりなのだ。
思い出しただけで涙が溢れてくる。ダメ! ダメ! これじゃお涙頂戴になっちゃうじゃないの!
もうスピーチはだめ! 涙で話せなくなってしまう。突如私は三谷に変身した。
kaoにメールを打った。「テツ&トモ、今日結成! あなたはテツよ。紺ジャージ用意して! ギターは飾りでいいから。健太郎さんと
奈々ちゃんにまつわるなんでだろう? 同時募集中!」送信。姉からすぐレスが来た。「了解! 覚悟はできた。2人にまつわるなんでだろう?ネタpart1・・・・・・」
yuka&kaoによるテツ&トモは、この日から歌に踊りにと超ハードなスケジュールをこなしていった。勿論、ハンガーには赤ジャージがピンと掛けられ、赤ジャージ君も脚光を浴びる日を心待ちにしているようだった。
しかし、日に日に踊りが過激になり、歌詞も白熱し、とどまる所を知らないテツ&トモに、8歳年上の従姉であるもう1人の私が語り
始めた。
「あなたは親戚。血が繋がってる・・・血って怖いのよ・・・。あなたが友人なら構わない。あなたたちのテツ&トモを見て あっけにとられた新郎側の親戚の方が「奈々さんの友達って変わってるわね・・」と眉を顰めたっていい。奈々ちゃんが「えぇなんか
彼女たち頭おかしくなっちゃったみたいで・・・」とやり過ごせばそれで済む。でも、従姉となるとそうはいかない。そのテツ&トモの血が奈々ちゃんの体にも流れているという事実はいくら否定したくても否定できない・・・いいの? 奈々ちゃんに一生恥をかかせることになっても・・・・っても・・・っても・・・っても・・・・・」
もう1人の私の声は日に日に大きくなり、私はついにもう1人の私にたしなめられた。
結局、奈々ちゃんの望んでいた面白い、お涙頂戴でない! スピーチを私はすることができなかった(と思う)。
だって、奈々ちゃんが海の見えるステキなチャペルで、父親にエスコートされ入ってきたその瞬間から、私は誰よりも早く号泣してたわ。
沢山の思い出が窓の外に広がる真っ青な波のように寄せては返し、私は「アーメン」の言葉さえ、涙でうまく言えなかったわ。
ごめんね、奈々ちゃん。というかあなたの選択ミスよ!(開き直り?)。
あなたがどんなに成長しようと、大人になろうと、私の中の奈々ちゃんは真っ黒に日に焼けた、棒みたいに細くって、はにかんだ笑顔の似合う少女のままで、私にとって今でもあなたは小さくって可愛い妹なのよ。だからそんな奈々ちゃんが目の前にいる綺麗な花嫁さんになったんだなと思うと、胸が熱くなり、涙がこぼれてきたのです。
「それでは最後に奈々ちゃん、千日紅仙桃は千日紅が千日間色褪せないことから、花言葉は「変わらない愛情」。
奈々ちゃん、どうか健太郎さんとこれから2人で幸せな家庭を築いていってね。そうゆかりお姉ちゃんは願ってます。(涙)そうそう毎日、お茶っぱ.comの千日紅仙桃を飲みながらね」
(場内一同「おっと! 涙にくれながらお茶のことはしっかり宣伝してるよ」) |