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渇茶的時間 一緒にお茶を

皆様、改めまして、新年明けましておめでとうございます。
お正月には、お目出度いといわれる錦上添花のお茶を頂きます。
お湯を注ぐと中から3連になった菊の花が浮かび上がる。
三重の幸せ、また幸せが連なってやってくると言われるお祝い事にはうってつけの工芸茶。
これからの1年、良いことが次々にやってきて欲しいという願いを込めて・・・。
そして、単なる個人的な話になりますが、お正月になると毎年私、思い出すことがあります。
それは台湾で過ごしたお正月。

今月のテーマは「超度肝級 台湾流お年賀 80’s」

通常台湾のお正月は、旧暦での新年を祝うので、毎年旧暦に合わせ変動する。大体1月末から2月の頭という感じでしょうか?  台湾の元旦は、けたたましい爆竹の音とともに幕開ける。街中が中国のお目出度い色、赤で彩られ、日本のような静かなお正月というのとは程遠い「めでたい、めでたい! 嬉しいぜ! ベエベエ!」的雰囲気ムンムンのとにかく活気あるお正月ですな。

台湾に駐在している日本人は、日本の暦に合わせ、1月1日に日本風なお正月を堪能する。私の通っていた台北日本人学校は、冬休みを2回に分けていた。年末から年始の1週間と、台湾の旧正月の期間の1週間と。そうそう、毎年お正月が近づくと、週に1回あった中国語のクラス担当のリン先生は、

「コンシーコンシーホンパオ ナァライ」この言葉だけは絶対に言ってはいけません!
 
と教えてくれた。直訳するとこうだ。「めでたい、めでたい、お年玉ちょーだい!」。でも、もう20年くらい前の話なのに、今でも私がこうしてこの言葉を鮮明に覚え、この言葉だけは中国人顔負けのネイティブ発音で言えてしまうのは、そう、リン先生の教えに逆らってかなり頻繁に使っていた証でしょう・・・・。対不起、林老師。

さて、日本の正月に合わせ新年を祝う私たち日本人と、付き合いのある台湾の方は、皆日本人の正月に合わせ、御年賀を持ってご挨拶にいらして下さった。
国民性の違いからか、度肝を抜かされる品々。今回はこんな当時の「超・ぴ・っ・く・り御年賀逸話」をお話ししたいと思います。
(しかし、これは20年以上前の台湾での話ということをどうか頭に入れて読んでください。今もこうかと言われたら・・・そうだと応える自信もないし、多分、いや・・・恐らくもうこんな面白い? 贈り物なんてないんだろうと思うから・・・・・・)

まずは日本人学校の友人・Oちゃんの家に贈られた超度肝級御年賀のお話。

★「爆竹級・けたたましい贈り物」編

 ある年のお正月、Oちゃん宅の呼び鈴がけたたましく鳴った。誰だろう? そう思ってドアを開けると、0ちゃんのパパの仕事関係の中国人が立っていた。
「Oさん、オメデトウゴザイマス!」
そう言うと彼はさっと大きな袋を差し出した。その袋は布で出来ていて、口の部分が紐でしっかりと閉められていた。

なんだろう・・・・?

ぱっと見、その袋は、動いていた。それもかなり激しく・・・。お客さんはその袋をOちゃんのママに手渡すと、何かとてもいいことをしたという満足気な微笑を残し、帰っていった。

残された袋。激しく動く袋。家族4人でその袋を取り囲んで、考え込んだ・・・いや、考え込む間もなく、その袋は自ら大きなヒントを与えてくれた。途端、家族は驚愕した。

「コココココッ・・・・・コココココッ」

そのヒントを聞いて娘2人、そしてママは半泣きになった。パパも? いや、さすが大黒柱! パパはそっと袋の紐を解いた。

「ココココッ・・・・・・コココココッ・・・・・」

狭い袋の中から開放された袋の主=ニワトリ君は、自由を喜び、部屋中を駆け回った。


「コウコウコウコウッ・・・・・・・・」

ギャーーーーーーー!!!!!!!!!

女性軍の絶叫がマンションの部屋に鳴り響いた。
それがニワトリ君を刺激したのか、彼も「コケーーーーーコケーーーーー」と大興奮で、今まで以上に部屋の中をドタバタ駆け巡った。女性軍の絶叫! ニワトリ君も興奮絶頂バタバタバタ・・・・・。

F1マシーンのように部屋の中を駆け回るニワトリ君がキッチンに駆け込んだとき、パパがドアを閉めた。ニワトリ君はキッチンに閉じ込められた。

泣き叫ぶ女性軍に、パパは言った。
「家で飼うわけにもいかないし、せっかく食べてくださいといって持ってきてくれたんだ」
「じゃ! どうすればいいのよ!」女3人大攻撃。
パパは鼻息と共にこう言った。
「俺が〜さばこう〜!」声が裏返っていた。

そういうと生気を抜かれたゾンビのように、パパはキッチンに消えて行った。

キッチンのドアの外で、耳を澄まし、パパとニワトリの様子を見守る3人・・・。

「コウコウコウコウ・・・・」

かなり大変なことになっているらしいことは、キッチンから聞こえてくるバタバタという音で明らかだった。

しばらくするとドタバタという音は聞こえなくなり、ニワトリ君の「コウコウコウコウ」というアルトの効いた低音鳴き声に変わった。進展あり・・・・か?

耳に全神経を集中させ、キッチンのドアににへばりつく3人。
静寂を破ったのは、パパの
「ティアーーー」と言う声。それはまるで、アクションヒーロー系なんちゃらチョップの時の掛け声にも似ていた。
と同時に
「ココココココ!!!!!!!! ウギャー!
という絶叫に近いニワトリ君の鳴き声、そして、ドタバタドタバタの雑音と何かがキッチンのドアに激しく体当たりする音がした。
一体何が起ったというのか? 
そしてドアが勢いよく開いて、顔面蒼白「もう手に負えないーーーーー」という顔をしたパパが顔を出し、続いて何かも一緒に飛び出してきた。それは、首からうっすらと血を流したニワトリ君だった。

ギャーーーーーーー!!!!!!!!!

ニワトリ君は猛ダッシュでリビングを走り回った。女3人は泣きながらも反射的にキッチンから続くリビングのベランダの窓を開けた。ニワトリ君はキッチンからリビング、そして、その終点であるベランダに全速力で掛け抜け、そして、勢い余って4階のベランダから飛びたった。

果たしてニワトリは空を飛べたんだろうか?

通常ニワトリは飛べないと私たちは認識している。しかし、彼は確かにパタパタと一瞬空に舞い上がったという。が、やっぱり彼もニワトリだった。すぐにストンと下に落ちて行ったという。

オーマイガーーーーーーー!

4人揃って、急いでベランダに出て、下を覗いた。可哀想にペシャンコになったニワトリ君が横たわり、息絶えている・・・そんな姿を想像した4人は、目を見張った。

な、なんと、ニワトリ君は「チッ、正月からツイてねぇな・・・首がちぃっと痛いわな・・・」ってな感じに何事もなかったように元気に走り去って行ったという・・・。
キッチンの様子はこうだった。ニワトリ君を捕まえ、首に包丁を当て、いっそひと思いに・・・と構えたが、やはり勇気のなかったパパはちょこんと包丁を当てた。そしたら、ニワトリ君が過剰な反応をし暴れだしたので、怖くなって手を離した・・・という。
4人はどうかご無事に・・・元気に生きておくれと元旦の空に向かって願ったという・・・。


次は我が家のお話。
★「さようなら〜あなたの優しさ忘れない・・・・」編

我が家には毎年1月2日に、父の会社の人たちが家族を連れて集まった。日本にいれば、おじいちゃん、おばあちゃんの家に遊びに行くんだろうが、海外にいるとそういうわけにもいかない。だから、我が家がそんな親族の集い的な雰囲気の場になっていたのだと思う。今、あの頃の写真をみると、本当によくもこんなにあの家に入ったものだと感心してしまうが、多いときで50人、少なくても30人は集まっていた。(よく酸欠にならなかったものだ。もちろん、この時期なのに、クーラーバリバリ全開。設定温度18℃)元旦、家族でお雑煮など簡単なお正月気分を味わうと、明日の本格的なお正月に向けての準備に取り掛かる。料理の下準備、簡単な掃除、飲み物の用意etc・・・。

そんなとき、ドアのチャイムが鳴った。父の知り合いの中国人の方が血色の良い赤ら顔で笑みを浮かべ立っていた。父は外出していた。そして、そんな彼の手には巨大な箱が。我々は何かを察した。差し出された箱を覗き込んだ。やはり私たちの読みは正しかった。中には超巨大伊勢海老が。勿論生きてる。我が家にやってきたときから、その元気さを異常なまでにアピールしており、バフンバフンと激しく前後屈運動を披露していた。多分、市場でもこの調子でアピールしちゃったから買われる身になっちゃったんだろうね、あんた・・・。

勿論、母と姉、私は驚愕した。料理されたのを食べるのは好きだ。でも、当時飼っていたヨークシャテリアのはっちゃんよりはるかに大きいその伊勢海老をどう扱っていいのかわからない・・・・。はっちゃんも恐怖の余り、後ずさりしながら激しく吠えまくってる。ゴツゴツして赤黒くって、グロテスクで、生きていて・・・怖かった・・・・。

母は言った。
「あなたたちのバスルームに水張って入れるのよ!」
「えっ? 何でお風呂に?」
「だって、怖くて料理することもできないから、お風呂に入れておくのよ!」
「なに? ママ、伊勢海老を飼うとかいうわけ?」
「いいの! とにかくパパが帰ってくるまで、風呂に入れておくのよ! 水張ってきて頂戴!」
「ヒェ〜〜〜〜」

私は風呂に10センチほど水を張った。そして、母が発泡スチロールの箱に入った伊勢海老をその中に箱ごと逆さまに「エイヤー」と投げ込んだ。ドボーーーン! 

伊勢海老は海を思い出したのか(思い出すわけないじゃん!)水に入った途端、まるで喜んでいるかのように(いたんかい?)バフンバフンと前後屈運動を繰り返していた。

伊勢海老のいるバスルームはkaoと私の部屋の真ん中にあった。

 夜、父が帰ってきたので、伊勢海老を見せると、「明日皆がくる前になんとかしよう」と言った。
夜、私がベッドに入ると、隣のバスルームからバフンバフンという伊勢海老の水で遊ぶ? 音が響いてきて、「あっ楽しく遊んでいるのね・・・」と微笑ましかった・・・というのは嘘でただただ怖かった。

早朝のことだ。けたたましい犬の鳴き声で目が覚めた。はっちゃんが私の部屋の入口で興奮して吠えているのだ。
「もーうるさいな・・・朝早くからなによ!」
はっちゃんに視線を向けようとしたそのとき、私は見た。ベッドの下に何かがいるのを! ゴツゴツしたその影は!

ギャーーーーーーー!!!!!!!!!

あの伊勢海老じゃないか! あんた一体・・・。なんで、どうやって、やってきたというのだ? そりゃ洋風バスだから浅いと言っても、あなたにとっては万里の長城くらい高いはずよ。でもって、歩けないあなたが、どうやって隣接してるとはいえ私の部屋までやってきたというのか! 得意の前後屈運動でか?

「パパーーーーーー! パパーーーーーーーー!」
母を呼んだとしても、事態を見たらギョっとして、そして何事も見なかったように去っていくに決まっている。
父を呼んだ。

「イキがいいやつだな・・・じゃイキがいいうちに」
と父は伊勢海老を抱えると、キッチンに去って行った。
そして、大きな鍋に湯を沸かすと、お尻から伊勢海老を鍋の中に入れた。それはまるで座らせるように抱きかかえて。
伊勢海老は「いやよ、いやよ」と言ってる様に、激しく前後屈運動をし抵抗したが、所詮海老だ。怖がらない相手には無力だった。

伊勢海老はまるで魔法に掛かったように、ふわ〜とグロテスクな風貌からキレイなオレンジ色に変わっていった。それはまるで透明なストローでジュースを吸い上げたかのように。

昼前から会社の人たちがどんどん集まった。皆テーブルに釘付けだった。だってそこには「本日の主役です!」と言いたげな伊勢海老がデーーンと置かれていたわけで・・・。
そして、伊勢海老は大人気。次から次へと箸が伸ばされ、あっという間に伊勢海老は殻だけとなった。
しかし、その中で3人だけ箸を伸ばせない人間がいた。勿論母とkaoと私である。

たった1日の付き合いだったけど、あんなに元気だった彼女(いつのまにか女の子にされている)、私の部屋まで会いにきてくれた彼女(いつのまにか美談になっている)、そんな彼女との楽しかった時間(うそつけ)を思うと・・・・、胸が詰まった。せめてもの償いにと、彼女の殻を取っておこうと努めたが、翌日に母にあっけなくポイっと捨てられた。

注釈  錦上添花

お正月
我が家の台湾でのお正月
さて問題です。この中に何人いるでしょう。答えは最後に

ごそごそ
必死
こんにちは
たすけて〜
いい湯だな〜♪ほっかほか
おおぉっ!!
さよならエビちゃん
大集合
台湾のわが家でのお正月。駐在員家族大集合。

今年も長いお話にお付き合いいただき誠にありがとうございます。
エッセイに関するご意見、ご感想がございましたら
info@ochappa.com
までお願いします。お待ちしております。
さて、一番上の写真に写っている人の人数ですが、答えは35人と1ぴきでした。

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