| まず台湾の結婚式と言ったら、ズバリこれでしょう! 披露宴会場到着、皆がここで度肝を抜かされるのは、新郎新婦の変身写真。受付には
「よくぞ、ここまで化けものだ!」
と脱帽級新郎新婦超巨大パネルがお出迎えだ。でも正直なところ、余りのメーク、変身振りにここが2人の披露宴会場でなければ、その写真のモデルが誰であるかはわからない。あっぱれ! そして、いろんな衣装、メーク、ポーズによる「月刊宝塚」並みのアルバムも置いてあって、来客たちは皆うっとりとしながらそのアルバムを見ているそうだ。
受付では、紅包(ホンパオ)と言われる文字通り赤い封筒に入ったご祝儀を出し会場の中へ。友人級のご祝儀価格は最低NT1200〜NT2400くらい。父母クラスでNT3600くらいだそうだ。必ず偶数でないといけないそうだ。あら日本は2で割れる数は縁起が悪いから奇数と言われてなかったっけ?(やはり2人で割り切れた方が、この先どんなことが起ろうともケンカにならなくていいのかも)
いざ披露宴会場に入り、ここでも、日本の披露宴しか知らない人間は度肝を抜かされる。席が決まっていないからだ。どうぞお好きなところへお掛け下さいと言った感じの自由席。但し、新郎新婦の親族と主賓の席だけは決まっている。でも、ここでも日本との違いは、
親族の席こそ祭壇に一番近い特等席。
日本のように親族が祭壇から一番遠い末席なんかではないのだよ。以前韓国の結婚式に出たことがある私ですが、やはり韓国式も親族が一番良い席だったなぁ。でも、思うんですが、それこそ正しいカタチじゃない? だって、2人の結婚式誰が一番間近で見たいって言ったら、2人の家族じゃないですか。あっ、北海道の披露宴も親族は一番良い席じゃなかったっけ? 北海道って、発起人立てて、会費制でやるスタイルとかやはり日本であって、開拓後の新しい風を感じる場所ですよね。(あんた、開拓後の新しい風っていつのことだ?)話は戻り、席が決まってないので、日本人はオタオタしてしまい、「あまり良い席に座っても申し訳ないし・・」なんて自ら末席に座ったりしてしまうそうですが、さすが台湾の人。自由席の中での一番良い席から埋まっていくは当然です。
ここでも、日本の披露宴しか知らない人は驚きます。一応、招待状には開宴何時と書かれているが、時計を見れば、開宴時間はとっくに過ぎているのに、会場にはまだお客さんはまばら・・・。そういえば、日本のように招待状に出欠の葉書が付いていて、出席・欠席に○をつけて返信するっていう慣わしがない台湾では、誰が来て、誰が来ないのかもわからないし、皆自由気ままに集まるといったようです。大皿を皆でつつく中華料理の成せる技でしょうね。それに円卓。椅子さえ持ってくれば、すぐに席は作れるってわけです。
さぁ、そろそろ皆も集まって、宴会が始まります。でも、日本のように堅苦しいスピーチもなく、和気藹々、スピーチがあったとしても、緊張する様子もなく、「ただ今ご紹介にあずかりましたわたくし・・・」なんて前置きもなく、皆自分の言葉で「おめでとう!」と言いたいことを言うそうです。服装もかなりカジュアル路線でOK! 日本のように披露宴の招待状を手にした瞬間から
「あーーー! 何着ていこう! あ−−−服買わなきゃ・・・・。あーーーーダイエットしなきゃ・・・・、あーーーーー美容院予約しないと・・・」
なんて心配は要りません。だって、本当か嘘か知らないけど、私は以前台湾の知り合いから披露宴で隣に座ったおじさんと話をし、新郎新婦とどうーゆー関係かって話しになったら、「いやーーーたまたま通りがかり、なんだか幸せそうで、楽しそうだったから、出席させてもらったんだよね」と何のためらいもなく言った方もいたそうだし・・・。まぁ、誰でも? 2人に対するお祝いの気持ちとお料理を頂く分のご祝儀さえ出せば、誰でも祝って頂戴! と言える純粋なお祝いパーティなんでしょうね。
披露宴では、新郎新婦が日本でいうキャンドルサービスのように各テーブルを回り、紹興酒を来て頂いたお客さんに注いで回る。勿論、お客さんの方も、新郎新婦に紹興酒を・・・なんだけど、皆からの杯を飲むとなると、途中で意識不明のヘベレケ状態になるから、通常は新郎新婦には紹興酒と色は同じということで、烏龍茶を代わりに頂くというのが普通となっています。
会もそろそろお開き。引き出物はなく、新郎新婦が出口でのところで、来て頂いた皆さんにキャンディーなど甘い物を配る。中国では、甘いもの=子孫繁栄(特に男の子だって! これは気に入らないわね!)を意味し、キャンディーを頂いたお客さんは「早く男の赤ちゃんを」という言葉を掛ける人もいるという。(何で女じゃダメなんだ!)
そして、キャンディーと一緒にお2人のブロマイドを一緒につけて下さるカップルもある。
我が家には歴代のブロマイドがコレクションされている。
退屈なとき、kaoと私はこれらのコレクションを見るのが大好きだ。(あんたたち本当に暇なのね〜)だって、この恐るべき変身カップルがこの写真を撮るとき、一体どんな気持ちで自らを駆り立て、恥じらいもなく実に堂々と宝塚顔負けのポーズとメークと衣装でカメラに向かったのかを想像するだけで、ワクワクするじゃないの!
なりきれるってすごいこと! これも2人の、2人っきりの愛の世界〜〜〜、愛する2人こそが成せる技なんですねぇ〜〜〜。
だって、散々面白がっているkaoだって、ハワイで挙げた自分の結婚式の写真には、旦那が椰子の木に寄りかかり、遠くで舞うkaoを見つめるなんて、恐ろしい写真があったりする。「あんたたちよくもまぁ恥じらいもなくこんなポーズを(-_-;)」と言いたくなる様な写真を複数所有してるのを私は知っている。怖ッ!
そうそう、ついでにハワイ、変身写真、で思い出した話がある。以前kaoが添乗員、私は客室乗務員をしていたときの話だ。たまたまスケジュールがあって、kaoとホノルルで合流した時の話。日本を発つ前からkaoとホノルルでの目的を決めていた。
「変身スタジオにて写真を撮る!」
添乗員のkao曰く、「もうおばちゃんのお客さんが皆帰りの飛行機の中でお互い見せ合ってるんだけどね。すごいのよ。皆すごい変身して美人になって。おばちゃんたち大喜びで、その写真でオプションのマグカップとかTシャツとかまでオーダーしちゃってるんだから! 私たちも是非あそこに行って変身写真を撮ってもらうのよ! いい? 私は見合い写真にでも使おうかと思っている」鼻息荒くkaoはノリノリだった。
お客さんが自由行動の日、ホテルのオプショナルツアーディスクに11時まで座っていれば、後は自由の身という日。私は同ホテルのロビーでkaoを待ち、11時を待って2人♪足を揃えてスキップランラン♪変身スタジオに向かったのだった。
受付には、申し込み用紙があって、どういう変身をしたいのかチャックする欄がある。
「キュート、スイート、ワイルド、セクシー、アダルト、ゴージャス、ナチュラル・・・・・」
希望の項目にチェックを入れていく。
「kao何にする? 私はワイルド、ゴージャス、セクシーにしてみようと思うんだけど」
「えっ? 私? うーーーーん、キュート、ナチュラルで行ってみようかな? ふふふ・・・・」
申し込み用紙の記入が終わると、それを提出して、今度はメークさんがその紙を持ってやってくる。
「ワイルド、セクシー、ゴージャス、OKね! YOU 欲張りたくさんね〜」と言ったか言わぬかは忘れたけど、すぐに化粧台の前に座らされ、その途端ホットカーラーをで髪にバンバン巻きつけられる。カーラーを巻かれたまま、パンパン化粧をはたかれる。パンパンパンパンまるで
「あなた、私に恨みでもある?」
「それとも私の顔を使ってストレス発散?」
と聞きたくなるくらいの勢いでだ。そしてチーク、これでもか! というくらいの頬紅をはたかれ、完全なるおてもやん状態。これがセクシーでワイルドでゴージャスなのか? あぁカーラーを取れば兼ね合いが取れるのよね、そうよね? そうよ! そうに決まっているわ。いよいよ、おてもやんのカーラーが外されるときが来た。オーノー! 大爆発! 確かにこりゃワイルドだ。ジャングルから出てきた野性の女って感じよね・・・違う! 私が求めていたワイルド土の香り系じゃなくて、洗練された都会の女系のワイルドなのよ! 腹巻のような筒状のギラギラを胸に巻き、いざスタジオへ。
そこには、簡易な勉強机といったような小さなテーブルが置いてあって、カメラマンは私にそこに立つように言った。そして、カメラ片手にジェスチャーで「こういうポーズをしろ」と指示してくれる・・・んだが、素人の私には彼が指導してくれるそのポーズはあまりにも大胆過ぎて、思わず躊躇してしまう。しかし、彼もプロ? そして、彼も素人の私のだだっこぶりにそうそう付き合ってはいられないというように、さらに激しいジェスチャーで「いいから、ほら! やってみるんだ、ほれ!」と急かすのである。しかたなく、私は顔を赤らめながら、言われた通りのポーズを取ると、さすがそこはプロ! 「ナイス! ビューティフォー! で、グッドね!」とあらゆる賞賛の言葉で誉め殺しに掛かってきた。人間って怖いわ〜。おだてられ、乗せられると、「私は女優、私は美しい」マジックに掛かって、ノリノリでポーズをとってしまうんですよ(恥)。「さぁ脱いで」なんて言われようものなら、そそくさとスッポンポンになってしまう勢いだった。(残念ながら? そんなリクエストはなかったけど)
すっかりいい気分でスタジオを後にし、メークを落とし(後にも先にもあの時ほどコールドクリームを使った記録はない)kaoと受付で自分たちの変身写真が出来上がるのを今か今かと待ちわびた。待っている間そこにあるカタログをペラペラ捲りながら、「あら、このマグカップもいいわねぇ」「このキーホルダーもいいかも・・・」と美しく変身し、素晴らしくステキに撮影された自分の写真を想像し、夢は果てない。
ついに「kaori〜yukari〜」と我々の名前が呼ばれ、小走りで行って見ると、受付のカウンターに私たちの写真が並べられていた。きゃっ、どれどれ♪ 手にとってギョッとした。そこには、場末のキャバレーのお姉ちゃんがすごい自意識過剰な微笑で写っているじゃないの! まるで見られたくない答案を即座に伏せるように、私たちは同時にサッと写真を裏返した。
「おぉ・・・YOUたち、ビューティフォーでキュートでセクシーね、GOODな変身ね」と金髪の受付嬢がしきりにビジネストークを繰り広げても、私たちは動じなかった。というか完全ノックダウン状態だった。何がマグカップだ、キーホルダーだ! 私たちはそそくさと基本料金に含まれている写真2枚だけを持って、ゾンビのようにカラカウア通りを歩いて行った。
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