| 自動車免許取得まで、誰でも何かしらの伝説を持っていますよね?
かくゆう私も免許取得に至るまでの道程はそれはそれはいばらの道でしたよ〜。当時、私より少し早く教習所に通っていた友人Y子に毎日のように電話して、
「次はクランクというのをやるんだけど、どうすりゃいい?」
「あぁクランクね〜。それはね〜」喉元過ぎれば・・・の彼女は、まるで社長椅子に座り、葉巻でもくわえているかのような、かなり偉そうな態度で教えてくれるのが気に入らなかったけど、でも、とても詳しく教えてくれたので、私は彼女を「教官!」と仰ぎ、松本千秋のように素直に聞いていた。(*松本千秋・・・スチュワーデス物語で堀ちえみ演じるドジでのろまなスチュワーデスの卵。知ってる?)
明日は踏み切り横断をするという日だった。私はY子から詳しく気をつけなければならない点を聞き、メモを取り、明日の教習に向け、椅子に坐ってのシュミレーションに精を出していた。
当日、私はかなり自信があった。まず踏み切りの前で止まり、サイドブレーキを上げる。そして窓を開け、左右を確認し、耳を済ませる・・・。車の音が聞こえないかどうか確認するためだ。そして、Y子が教えてくれた一番大切なこと。
「それからね、思いっきり鼻の穴をおっ拡げ、匂いを嗅ぐの。これは大袈裟にしないとその行為を怠っていると思われるから思いっきりやることよ! 皆大抵ここで終了印もらえないで、次回に繰り越すから!」
私は教官・Y子の言いつけを忠実に守り、パワフル掃除機並の吸引力でフンフン、フンフンと匂いを嗅いだ。
「君、何やってるんだ?」教官が聞いた。
「はい、匂いを嗅いでいるんですけど」
「匂い? 何で匂いを嗅ぐ必要があるんだ?」
「あの・・・電車が近づいてくると、線路との摩擦によって、鉄臭い匂いがするんで、その匂いを嗅いで電車が近づいていないか確認しているんです」
「・・・・・余計なことはしないでいい!」
余計なこと? その日私はそのショックからエンストを連発してしまい、終了印をもらえずに持ち越してしまった。
その夜教官・Y子に電話した。「うちの教習所、踏み切りの時、匂い嗅がなくていいんだって」すると受話器の向こうからククク・・・とかみ殺すような笑い声が響いてきて、そのうちグフフフ〜〜〜という高笑いに変わった。「なんだ〜信じてたの? まさか本当にやるとはねぇ〜」その日以来、私はY子を教官と崇めることをやめた。(-_-メ)
初めての路上教習の日には、緊張からお腹を壊し、脂汗の極限状態、大パニックになり、教官の指示を無視して、目の前のファミレス駐車場に急発進し、教官にこっぴどく叱られた。叱られつつも腹痛は治まらず、そこで教官に運転を交代してもらい、猛スピードで教習所の教官休憩所のトイレに連れて行かれ、ことなきを得た。勿論、その日終了印はもらえなかった。
ところで、台湾の教習所はどうなっているの? 興味ありでしょ? ここで台湾で車の免許を取ったkaoの話をご紹介。
kaoが通った自動車教習所は台湾郊外、淡水河の川原にあった。
kaoの記憶によると、日本語での教習は破格に高く、でも、「日本円にすれば5万円くらいだったんだよねぇ・・・」。5万で免許が取れるなんて、日本で免許を取った私は一体いくら払ったよ?
さて、教習所通い初日、非常に簡単な運転の説明を受けると、教官は「教官待機部屋」といったような小屋に入り、日本の教習所のように助手席に乗って指導してくれるなんてことはない。1人1台あてがわれた車で、教習所には車は3台しかなかったから、3人で教官の指示通り、川原をただひたすら四角に走る練習をしていた。直線、1、2右、直線、1、2左、ただただ四角に走るのだそうだ。どのくらい走ればいいかというと、決まりはない。ただ単に教官の休憩が終わるまでである。
タイヤの跡で一体いくつの四角を作っただろうか・・・kaoはいい加減目が回ってきた。直線、1,2右、直線、1,2左・・・そのとき、グルングルン目が回り自分でも訳がわからなくなり、いきなり車は暴走し始めた。キャーーーー。(≧□≦)ただえさえ動揺する状況、まして初心者である。それも教習所初日のことだ。キャーーキャーー怖い怖いと思いながらも、何をしていいのかわからず、車は暴走し、このままでは川に突っ込んでしまう〜、わかちゃいるけど、どうにもならない・・・
「わぁぁ!!神様〜!!!」と叫んだら、 ドーンという鈍い音と共に車は止まった。
「えっ?神様?」と思ったが、なんてことはない 川に車が突入するのを防御するため転がしてあった古い電柱を乗り越え、タイヤが引っかかり、車は止まっただけだった。「西部警察のBGMが大音量で流れてる気がした」と当時を振り返ってkaoは言う。
しかし、教官は教官待機室で休憩中である。一緒に四角形を描いていた生徒のお姉さんが、kaoを見つけ、急いで自ら乗っていた車を運転して、教官を呼びに行ってくれたそうだ。何でも教官待機室の近くには牛が放してあって、拙い運転でその牛を避けるため、エンストを繰り返しながら・・・。やってきた教官は怖い思いをした彼女を慰めてくれるどころか、日本語教習をリクエストしていたにも関わらず、超早口の中国語でカンカンに怒ったそうである。「まぁ早口で何言ってるかわかんなかったから怖くなかったけどね・・・」(^_^;)
教習練習2日目。教官がセダンで家の近くまで迎えに来てくれるサービス付。その日も南京東路で待っていると教官が運転していた車がすっと横付けされた。さあ、乗り込みましょうと思っていたら、教官が降りてきて「はい」と鍵を手渡した。鍵を持ったままきょとんとしていると教官が言った。
「早く、あんた運転するよ」
「えええ」
「むちゃでしょ、まだ2回目でっせ・・・」とたじろぐkaoを車に押し込んで発車。
「早く、もっと早く」
教官はスピードを出すように言う。直進していくと先に見えた中山北路との交差点の信号が黄色に変わった。普通、黄色ったら止まりますね? というかベテランドライバーとなった今はタイミングを見て、黄色でもGOしてしまうときもあるが、初心者、特に教習生は律儀に交通ルールに従いますね? kaoも模範的な教習生として黄色で止まらなきゃとアクセルを緩めると、教官が叫んだ
「止まるダメある!!急いで渡れ!!」
「ええぇっ?」慌ててアクセルを踏む。
「そう、あんた止まったらまた発進のときエンストする、大変! そのまま走る、エンストしない! それいい!」とキッパリと言われたそうである。汗が噴出す。でも、そのまま東へと直進すると、更なる試練が待っていた。通称圓公園。道がロータリーのように丸くなっている。そしてそこは大渋滞となっていた。kaoはハンクラで進み、エンスト、教官慌ててキーを回す、ハンクラで進んではエンスト、教官エンジンかける・・・を繰る返し、その度に横にいる教官に激しい舌打ちをされ、生きた心地がしなかったそうである・・・。仕方ないじゃん、運転してまだ2日目なんだからさ。
いよいよ、テストの日。日本のように仮免を頂き、路上テストではなく(まぁ2日目で路上デビューしてしまうんだからね)試験所内でのテストなんだけど、ギアーは一速以上使ってはならず、、クランク、S字、S字バックなどの細かい作業が多いという。台湾の人が運転は乱暴だけど、どんな隙間にでもぴったり車を止めることができるのは、このテストにあるのかもしれない。
それが済むと、ペーパーテスト。○×方式で、文章問題が20題くらいあるのだが、少しでも鉛筆で汚してしまったら減点になってしまう。それこそ、鉛筆の先をちょんとついただけでもアウトなので、緊張を強いられるという。このペーパーはすべて中国語。kaoは問題集を買い、漢字を丸暗記して、この文章が出たら○、この文章は×と内容は把握していなかったそうだ。1つ記憶に残っている問題は「赤足云々・・・・」で、これはどうも「裸足で運転してはいけない」だそうで、勿論? 答えは○だそうです。
さて、中国の教習所はどうなのか? kaoが以前北京の友達のところに遊びに行ったときのこと。その子が丁度教習所通いをしていた時期であったので、興味があったkaoはその子の教習所に一緒に付いて行ったそうだ。その子は教習所に行く準備を始めると、これでもか! と肌着やセーターを着だし、厚いダウンのコートに、マフラーと手袋をはめた。「そんなに着込んでたら運転しづらいじゃん」とkaoが言っても、「こうしなきゃダメなんだ!」と運動不可能な着ぐるみ状態で、教習所に向かったそうだ。「変なの〜」教習所について、その厚着の謎はすぐに解けた。
北京は普通自動車での教習ではなく、荷台のついたトラックで取るのだそうだ。本当か?(少なくとも彼女の友人が通っていた教習所はそうだった)友達は教習所に着くと、マフラーをギュッと締めなおし、運転席でも助手席でもなく、トラックの荷台へとよじ登っていった。なんと、そのトラックの荷台には教習生が8人くらい乗り、自分の運転の順番がくるまで荷台の上で待たされるのだそうだ。勿論、トラックは走っている。1人10分くらいの教習時間、荷台に乗せられた生徒たちは皆、ガタガタ揺られながら、グルングルンと広場を回るんだそうだ。北京の冬。ただでさえ寒いのに、屋根もないトラックの荷台、生徒たちは皆で身体を寄せ合いながら、一箇所に固まって、ひらすら自分の順番を待っていた。
「なんか、笑っちゃいけないと思いながらも、友達もその中にいたからさ、おかしくて笑いを堪えるのに必死だったよ。でもさぁ、それを待っているのも寒くて大変だった。だって一人10分だとしても80分だよ。寒さで凍え死ぬかと思った。でも、その後休憩室に行って大きなヤカンで注いでくれたお茶が身に滲みるほど美味しくてねぇ。鉄観音みたいに感じたのよ。多分1斤何十元もしないお茶だったんだろうけど・・・」
お国変われば、教習所も変わるってもんですね・・・。そうそう、ここ日本でもこんな話がある。私の友人は短期で集中して取れるという合宿免許で地方に行ったのはいいんだけど、「教官の日本語がすごい訛ってってて、何言ってんだか全然聞き取れず、まるで外国で教習所に通っている気分だった」と。
これから年末年始を迎え、渋滞や交通事故も多い時期となりますが、免許をお持ちの皆さん、どうか初心に返って、踏み切りの前ではきちんと匂いを嗅ぐことをわすれずにね〜〜( ̄∀ ̄*)
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